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KITA Eng.の別館。北海道でサーバーとかICTとか教育とかについて考えている人が綴るblog。

教員→サーバー技術者→?ーー仕事をどう選ぶか。

photo by JEO Photography

今週のお題「今の仕事を選んだ理由」

年末年始、転職やキャリアアップなど、仕事について改めて考えたという方も多いのではないでしょうか。

今週のお題 今の仕事を選んだ理由」です。

勤務時間や働き方、給与、今の仕事で学べることなど、あなたが「今の仕事を選んだ理由」を教えてください。まだ社会に出ていない方や求職中の方も「こういう理由でこの仕事に就きたい」というエントリーをぜひ。たくさんの投稿、お待ちしてます。

ということだそうです。ちょうどちょっと過去のblogの投稿を漁っていたら、教員になる前に思っていた教員になる理由の記事を見つけたので、転職した今、ちょっと振り返りながら書いてみようと思います。

【目次】

私的なりたい職業ランキング

いつから言い始めるようになったか記憶は定かではありませんが、「今選んでいる職業種は自分の中での一番なりたい職業種ではない」とか、「xxxx万円くらい降ってきたら、医学部入りなおすよ」とかも言ってます。二言目の方は結構本気です。

自分の人生背景にそれとなく大きな影響を与えているであろう、事象にかかわる職業がおそらく医師ってものなんだろうと感じていて、その事象は自分としては負い目に感じている部分だから、それを何とかしたいってのがあるのだと思います。

そんなこともあって、なりたい職業ランキング上位5位までを挙げると、

  1. 医師(救急救命
  2. コ・メディカル職
  3. 教諭、IT系技術職
  4. デザイン・出版関係
  5. 料理人

という具合になります。経験した職業種は、どちらも3番目です。

3番目の職業を選んだ理由(1)

転機は高校時代です。高校1年の間は真面目に医師って方向を向いていました。だから、2年生からの理科の科目選択も物理か生物の選択では、「生物」を選びました。

高校1年の最後の定期考査だったかの直前に、インフルエンザが猛威を振るいました。学級閉鎖には、ならないまでも、入テスト前の猛烈に授業が進む期間に多くの、欠席者が出ました。テスト直前に数日の欠席が続くってのは、かなりハンディキャップです。そんな事態の解決に乗り出したのが、担任で、「よく、テスト前に友達に教えていただろう。ちょっと休んでいたやつ集めて、休んでいた間の分、教えてやってくれない?」というのです。

定期考査前に、よく対策のまとめを作ってあげたり、教えてあげたりは確かにしていましたし、「人に何かを教えること」ってのは好きだったので、快諾しました。実際、当時の斉藤はとても楽しんで、このことに取り組んでいたように思います。ここから少しずつ、「教諭」という職業への道が大きくなり始めます。

自分の過去を振り返る中で、「学校」という場所が与えてくれたいろんな経験の大きさを感じたりしたのもあったり、テスト前講習会が定例化していったりがあって、2年の夏ごろにはすっかり、「教諭」という職業に対する気持ちが大きくなってきていました。

そして、医学部への現役での合格が厳しいであろうという現実もありました。勉強は嫌いじゃないけど、気分が乗らなきゃやらないタイプだったので、医学部現役合格を果たせるほどの成績は出ていませんでした。

金銭的な問題もあって、国公立大で現役、以外は当時の僕には選択肢としてありませんでした。

「医師になる」とうことに対する貪欲さが、そこまで大きくならなかったのかもしれません。高校時代の僕にはまだ、どうして「医師になる」のか、っていう確固たるなにかがなかったんだと思います

そんな中で、気持ちの中で大きくなりつつあった、「教諭」という道へ進むことを決めました。

教員になる前に教員になろうと思っていた理由

大学4年の冬。初めての教員採用試験は、不合格。そんな中で、自分はどうして教員になろうとしているのかを深める機会がありました。

当時書いていたblogの投稿から一部分を抜き出すと、

教採の2次試験で落っこちたという話をしたりするなかで,「どうして教師になりたいの?」という問いを良くされるのですが,正直斉藤はそれへの返答に少し困ります.おそらく期待される答えというのは,
 「△△時代の○○先生の影響を受けて」とか,
 「人に教えることが好きで,子どもも好きでして」とか,
 「○○の面白さを子どもたちに伝えたい」とか,
 「子どもたちの夢の実現に協力したい」とか言うことなのかなと勝手に思っています.
少なくともどの理由もある意味斉藤の思っていることの一つではあるけれども,教師になりたい決定的な理由ではありません.なりたいというよりならねばならない気が漠然とするといったところです.

何でそんな風に思うのだろうかといろいろと考えてはいたのですが,結局自問の中では,結論は得られていなかったのですが,卒研発表の前後で久々な面々などと会話をしているなかで気がつきました.

・斉藤は日本の教育に満足していない.
・いろいろな社会のゆがみは元をたどればある意味で教育の失敗によると斉藤は思う.
  ↓
トップダウン式で変えるのもあるけれど,結局今までの教育改革はそれでうまくいっていない.
  ↓
・同じ方法でやっても仕方ないから,ボトムアップ(現場から)変えていくのが良いのであろう.
  ↓
・教員になりましょう

ということなんだろうと思いました. 結局,先に挙げた期待される志望理由が決定的な気がしないのは,それらが, 「教師になって子どもたちに教える」という営みの先を見通せていない理由だからなのでしょう.

北の大地の教師の卵: 「問題意識」を「明確に」もつこと

とあります。

このときの自分の中にあるものは、これだったと今でも思います。

教員になってからの思い

「日本の教育に満足していない」ってのは、変わらない思いでした。「勉強はつらいものである」、「勉強は面白くない」、そんな思いが蔓延している学校が嫌いでした。「学ぶ」ということは、知的好奇心をくすぐられる本当はとても楽しい営みであるはずなのに、それを楽しくないものにしてしまっているのは、「罪」だと思っていました。

このことを変えたいという思いは、転職した今でも変わらない思いです。

だから、「授業は楽しいものにしよう」というので、四六時中授業のネタのことばかり考えていた時期もありました。そのときはとても楽しかったです。自分の中でも進歩があって、年度末の授業の振り返り(アンケートとか最終課題)では、一番伝えたかったコアの部分は、何とか伝わったであろう生徒が多くて安堵したものです。

転職を考えた時期を振り返って

「授業は楽しいものにしよう」というのを思って突き進んできたのですが、それに使えるリソースが自分の中で少しずつ小さくなっていました。一方で、_事務的なことだったり、授業以外の生徒との関わり__だったり、が大きくなっていました。

授業以外の生徒との関わりは、時には、伝えたい思いを授業以上に伝えられたりするので、こういう形もあるのかもしれないと、すこしワクワクしていました。「日本の教育に満足していない」の授業以外の側面からのアプローチとしてありだなとも思えました。

事務的なことは、自分を中心に置いた時には、実はとても楽しく取り組めました。黙々と進められる事務処理的なことをするのも自分は好きです。効率化のための工夫とか、ちょっとした気遣いとかを入れられると、たぶん自己満足なんでしょうけど、すっきりする気持ちになるのです。

もともと、黙々と作業を進めるってことが好きな性分なのもあって、急激に事務的なことに対する自分の中でのリソースの割き方が増えていました。でも、ふと我に返ったとき、「自分が教員をやっている理由って?」って自問すると、今のリソースの割き方はどうなんだろうかと思うのでした。

リソースの割き方を修正するのも一つでしたが、すでに急斜面を転がり始めた岩石を止めるのは難いが如く、事務的なことに対するリソースの割き方を減らすのは困難になっていました。その方向での成長をまだまあ進めたいって気持ちが強くなっていたのです。

3番目の職業を選んだ理由(2)

事務的なこととオブラートに挟みましたが、主に情報機器だったりWEBとかにかかわる部分での仕事の比重が増えていたのです。大学時代もしかり、副専攻とまでは言わないまでも、かかわってきたICT周りのあれこれについての熱が強くなっていたのです。もっと、知識とか技術とかつけたいと思うようになっていたのでした。

そんな中で、たまたま「知識・技術不問」での「サーバー技術者」の募集の話が舞い込んできたのでした。

これは何かの運命かどうかはわかりませんでしたが、自分の気持ちが向いている今得た機会を逃すまいという思いで応募したら、さらっと採用に至りました

総括

自分は比較的職業に対する執着心が少ないのかもしれません。実際、上でなりたい職業ランキングを書きましたが、挙げればきりがないほどになりたい職業はあります。

そのときの自分を取り巻く環境とか、そこまでの自分の経験とか、与えられた機会だとかを一瞬で判断することを大切にしている気がしています。言ってしまえば、完全に感覚で選択していると思います。

一瞬の感覚というとなんだか気分屋なだけだと思われがちだと思うのですが、その一瞬の判断をする感覚ってのは、日々の積み重ねの中から生まれてきているものだと思うのです。

だから、斉藤は、これからも自分の感覚を信じて選んでいくつもりです。そのために感覚が鋭く、よりよくなるように気をつけなばと思うのです。

ロジカルシンキングなんてのがもてはやされていますが、自分の人生の選択においてロジカルであることは、重要なんでしょうかね。